物流の脱炭素、荷主の省エネを評価するには燃料データ収集が壁Photo:PIXTA

経済産業省は10月29日、総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会荷主判断基準ワーキンググループを開催した。荷主の省エネ取り組みの評価に関し、積載率や燃費向上を評価しにくいトンキロ法の算定見直しやベンチマークの設定、クラス分け制度の導入といった方向性が示されており、荷主8団体にヒアリング。トラック事業者からの燃料データ収集の負荷の問題が提起され、クラス分け制度についても公平性の担保などが課題に挙げられた。(カーゴニュース)

ベンチマーク設定と運用は困難?

 エネルギー消費の10%を占める貨物輸送部門の省エネでは、荷主の果たす役割が大きいが、荷主が積極的に寄与していくためには、エネルギーの使用実態を正確に把握することが必要。燃料法、燃費法の採用は拡大せず、トンキロ法が多く利用されているが、省エネ法の目標を達成している特定荷主は4割程度で減少傾向にある。

 トンキロ法の見直しとして、算定方法の精緻化やクラス分け制度の導入を検討しており、荷主の省エネ取り組みと課題、検討の方向性についての意見をヒアリングし、石油化学工業協会、セメント協会、日本製紙連合会、日本貿易会、日本化学工業協会、日本加工食品卸協会、日本自動車工業会、日本電機工業会が資料を提出した。

荷主省エネ取り組み促進の方向性(ぼかし入り)