個人投資家の「株で勝つ!」投資手法を徹底解剖!

日経平均株価が2日で1000円以上も急騰!日銀の追加の金融緩和発表直後のトレード内容と今後のトレード戦略を億トレーダーに直撃!

2014年11月4日公開(2022年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部
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IPOや新興市場の銘柄で60万円を損切りするも
アイフル、ケネディクスで120万円超のプラスに

 10月31日、日銀が追加の金融緩和を発表し、株式市場は急騰。日経平均株価は10月31日に+755円の大幅な上昇を記録し、週明けの11月4日も500円を超える上昇と、2営業日で1000円以上の上げ幅を記録した。

 10月31日の日銀の発表直後、億トレーダーはどのように考えて、どのように行動し、今後の株式市場の動きをどう考えているのか。個人投資家を直撃した(取材は追加の金融緩和が発表された翌日の11月1日に行われた)。

「追加の金融緩和が発表されたという情報はTwitterでフォローしている人たちの情報で知りました。発表前には『日銀の金融政策決定会合で、もしかしたら金融緩和が発表されるんじゃないか?』という人も2~3人はいましたが、ほとんどの個人トレーダーは『現状維持だろう』と思っていたと思います」

 そう話してくれたのは、投資歴8年で、これまでに1億1000万円の利益、そのうち7000万円を今年稼ぎ出したという億トレーダー・タケさん。タケさん自身も金融緩和を予想できていたわけではなかったという。

アイフル(8515)の日足チャート(1カ月、11/4まで)。前回の金融緩和時に急騰した銘柄の1つだ

 「最近は日経平均が大きくリバウンドしても、トヨタやメガバンク、証券、財閥系不動産などの大型は出来高が少なく、資金が流れてきていなかったので、自分は大きく株価が動くIPOや個人投資家に人気の新興銘柄を売買したり、下がりすぎた銘柄で出来高がある銘柄をリバウンド狙いで売買したりすることが多かったんです。だから金融緩和が発表された直後、先物が急激に上昇しても、情けないことに頭をすぐには切り替えられず、自分の持っている新興株が少し買われているのを見ているだけでした。でも、発表から10分後くらいに『前回の金融緩和発表時には不動産や消費者金融に資金が大きく移動した』ことを思い出し、すでに上昇していましたがアイフルケネディクス、財閥系不動産を大きく買いました」

 そしてその直後、今度はIPOや新興銘柄からは資金が流出し、一気に大型株に資金が流れ込んでいったという。

こちらはケネディクス(4321)の日足チャート(1カ月、11/4まで)。10/31、11/4と大きく上昇した

 「追加の金融緩和が発表されて10分くらいは新興銘柄も買われていたんですが、その後は急激に資金が逃げていきました。そのため、保有していた新興銘柄を損切りして60万円ほどマイナスになりましたが、アイフルケネディクスで120万円ほどの利益を取ることができました。ただ、アイフルは3万株、ケネディクスは4万5000株ほど買っていたのに、当日にストップ高で3分の2ほどは利益確定してしまったことを後悔しています。前回の金融緩和発表時は発表翌日も全銘柄、特にアイフルケネディクスの2銘柄は大きく上昇して始まったので、ストップ高で利益確定せずに、持ち越しておくべきだったかなと思っています」

 実際、11月4日はアイフルケネディクスともに10月31日の終値から10%以上も高く寄り付いている。

投資家の空売りを燃料に、日経平均株価1万8000円は通過点。
年末~年明けに2万円の大台突破も十分視野に!

 10月31日の夜間取引や欧米市場、さらには11月3日の祝日で日本市場が休場している中でも日経平均株価は上昇し、11月4日も一時1万7000円を超えた。タケさんは今後の株式市場をどのように見ているのだろうか。

「追加の金融緩和が発表される直前はIPO銘柄や新興銘柄など、いわゆる『イナゴ銘柄』と言われるような、個人投資家の資金が集中する銘柄が人気化していましたが、今後は消費者金融や財閥系不動産、不動産ファンドなどが大きく買われるような相場になると思っています。特にアイフルは(空売りができる)貸借銘柄で値動きが大きく、そのうえ今回の金融緩和発表の直後(10月31日15時)に業績の上方修正を出したばかりなので、資金が入って大きく盛り上がるのではないかと考えています」

 そして、タケさんは日経平均株価も超強気で見ている。

「11月4日の値動きを見てみないとなんとも言えませんが(取材したのは11月1日)、それでも1万8000円は通過点で、それ以上の水準で大納会を終えると、現時点では考えています」

 その強気の理由は、直前までの相場状況にあるという。

「直前までエボラ出血熱などのネガティブなネタをきっかけに日経平均株価は1万6300円から1万4500円まで下げていて、その半値戻しの1万5400円というラインを超えるのは結構キツイと予想していたんですが、NYダウ高騰の影響で日経平均株価も1万5900円を超えてきていた。でも、実際には日経平均株価が上がっている割に個別銘柄は弱くて、トレーダーの中には大きく主力銘柄を買うというより、売りのポジションを取っていた人が多かったと思うんです。つまり、直前までかなり貯まっていた売りのポジションが燃料となって上昇しているので、1万6000円がかなり底堅くなっているように感じます。株はマネーゲームだとも思っているので、大きくオーバーシュートする可能性もある。それらの理由から1万8000円は通過点、2万円も夢ではないと思っています。あくまで、現時点(11月1日)での予想ですが」

狙いは日経平均株価に連動して動く大型の主力銘柄。
買い目線でしっかり押し目を狙え!

 では、個人投資家は今後、どのような銘柄に、どのような戦略で投資していけばいいのか。狙いはやはり主力の大型株だという。

「日経平均先物と米ドル/円は大きくオーバーシュートしてもおかしくない形になったと思うので、この2つが下がった『押し目』を買うのが安全策だと思います。銘柄別に『これは上がる』『これは下がる』というのは予想しづらいんですが、今回の金融緩和発表直後にはこれまで盛り上がっていたゲーム株のミクシィコロプラKlabなどの新興銘柄には日経平均株価の上昇とは逆行した銘柄も多くありました。ミクシィなどが買われないとなると、マザーズ市場の大きな上昇は望めなく、日経平均株価に採用されている銘柄、一緒に買われる大型の銘柄を買っていったほうがいいと考えています」

 しかし、そんな中で密かに期待しているのが「サイバーダイン」だ。

サイバーダイン(7779)の日足チャート(1カ月、11/4まで)。追加の金融緩和の発表後も、それほど大きくは買われていない

 「ただし、金融緩和で日経先物と同じように買われたサイバーダインには期待しています。サイバーダインは業績よりも『夢』で買われる銘柄で、高値更新も狙いやすい。日経平均も上がり続けるわけではないので、いずれは新興市場に資金が回ってくると考えれば、サイバーダインのような日経平均にある程度連動しつつ、出遅れているような銘柄があればチャンスかなと。とはいえ、これは新興銘柄が好きな自分の願望も入っているので(笑)、あくまでもまずは主力の大型株を狙っていけばいいと思いますね」

 一般的なサラリーマン投資家には、10月31日の日銀の追加金融緩和発表時にポジションを取れなかった人のほうが多いはず。タケさんの「主力の大型株」の「押し目を狙う」というアドバイスを胸に、第二次アベノミクス相場をチャンスに変えよう!


タケさん
(Twitter: @serotape_take)

投資歴8年の29歳。デイトレード中心の投資スタイルで、今年7000万円の利益を上げ、これまでの総利益は1億1000万円という億トレーダー。
ちなみに、使っている証券会社は楽天証券SBI証券。「楽天証券は約定速度が速いという理由もありますが、BNFさんやcisさんに憧れてトレーダーになったので、彼らと一緒のツールを使いたかったのが一番の理由です(笑)」


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