結婚カウンセラーが説く「離婚の3条件」を
地で行き、夫都合離婚を引き出す

 IBJ加盟の相談所のカウンセラーによると、夫が離婚を考えるのは、「夫の話を聞かない、しかし自分のことは一方的に話す」「料理が下手、不味い」「体の相性が合わない、セックスレス」の3つが揃った時だという。ヨシコさんが離婚を視野に入れた際、夫に接する態度とぴたりと符合する。また冒頭部で紹介した、ミサキさんが結婚相手候補にアピールする3つの項目と真逆であることがわかる。

「家事もきちんとして、私のほうに不貞行為もなければ、夫側が慰謝料を支払っての離婚になります。そのときも派手なトラブルは避けたいですね」。こう語るヨシコさんは、夫に不貞行為が発覚した場合、相手女性には慰謝料を請求することはないという。その理由をヨシコさんはこう明かす。

「示談交渉にしろ、訴訟での勝訴にしろ、相手方に資金力がなければ実質的には回収できません。無理して回収しても恨みを買うだけです。慰謝料請求は離婚時に夫にのみ行います。それに、離婚理由をつくってくださった相手女性は、私にとっては追い風を吹かせてくれた方。感謝の気持ちしかありません」

 さて、ここまでヨシコさんの話を聞き、どうしても聞いてみたくなった問いがある。もしずっと一緒に居たいという相手がいれば離婚はしないのか――この問いにヨシコさんはこう答えた。

「そんな相手とは結婚はしません。互いに自由恋愛のほうが長続きしますから。結婚生活では、最初の2年ほどは妻として、夫に溢れんばかりの愛情を注ぎます。別れても夫に感謝されるほど尽くすのですから、こちらも燃え尽きてしまいます」

 なるほど。確かに「ほんの数年の辛抱」と思えばこそ、計算し尽くした結婚生活を維持できるというわけだ。手練のプロ妻とて、人に惚れるという感情がなくなったわけではないらしい。この返事に少しだけホッとした。

 結婚相談所関係者たちは、口を揃えて「この十数年でプロ妻や、その候補者が増えた」と話す。共に結婚相手の男性を企業と見立てる点は、ミサキさん、ヨシコさんに共通しており、多くのプロ妻たちの考え方なのだろう。だが、そのスタンスには大きな隔たりがあるようだ。

 永久就職を目指しスキルアップに励む「社員型」のミサキさんに対して、結婚当初から離婚を視野に入れ、2年から3年は妻として全力投球、次から次へとセレブ妻として渡り歩くヨシコさんは、「フリーエージェント型」といったところか。どちらの「プロ妻」の話も、結婚とは何なのかと考えさせられるものであった。

※本文中、カタカナ名は仮名です。