超一流は、プレゼンやメールに「体言止め」を使わない。【書籍オンライン編集部セレクション】
「使えないヤツ」と思われてしまう
体言止めの使い方
例えば、次のような箇条書きで、一瞬で全体像を理解することはできるだろうか。
【コストの低下】
・原価
・販促費
・間接費
【売上の増加】
・海外事業
・国内事業
コストと売上で、対になることを議論していそうだ。だがこれが、「両方とも未来の状態を表すもので、単なる理想を語っているもの」なのか、「今の状態を表していて、よい兆候を伝えているもの」なのかが一瞬ではわからない。
また、コストの低下は現在の状態を伝えるもので、売上の増加は未来の行為を伝えている可能性もある。コストの低下によって余力が出たので、今後は売上の増加に舵を切るというイメージだ。
このように体言止めはいくらでも解釈の仕方があり、相手は迷うことになる。結果として、体言止めを使うと、相手は一瞬では全体像の理解ができなくなるのだ。
余談だが、物事を曖昧にしたければ、体言止めを使うとよい。だが、それは相手になにかを伝える折角の貴重な機会をムダにするだけではなく、相手が読んだり聞いたりする時間をもムダにする行為だ。
このため、時間を大切にする人が相手の場合などは、相手から“使えないやつ”と評価されてしまうリスクを伴っていることは理解しておくとよい。
本来は動詞であったところを名詞にして体言止めすると、多義的になり、相手に解釈の手間をとらせ、結果として一瞬では相手に伝わらなくなる。このため、速く魅力的に伝える『超・箇条書き』では体言止めはご法度なのだ。
凡庸にして最強スキル、それが箇条書き
「今話したことを、箇条書きにしてもらえませんか?」
学生や若手ビジネスパーソンと話していると、「流れるように話すが、何を言いたいかがわからない」という場面に出くわす。
しかし冒頭の質問をすることで、「なぜ意味が理解できないか」を明らかにできる。結論、あるいは結論に至るまでの論理の曖昧さが、箇条書きにすると一目でわかるからだ。
箇条書きを見れば、その人の思考、そして伝える力のレベルがわかる。
私は米国のシリコンバレーで、そして外資系のコンサルタントとして、グローバルビジネスの第一線の人たちと仕事をしてきた。ビジネススクール、INSEADのMBAプログラムでは、世界60カ国から集まった次世代のリーダーたちと一緒に学んだ。
彼らに共通するのは、箇条書きが抜群に上手いということだ。
箇条書きは、英語や会計、そしてロジカルシンキングと同じくらい世界的に求められているスキルだ。もちろん箇条書きという名称ではなく、世界的には「ブレットポイント(Bullet Points)」と呼ばれて使われている。
シリコンバレーで出会った起業家たちも、箇条書きを効果的に使う。プレゼンの最初と最後のページなど、鍵を握るところでだ。世界一ともいえるシリコンバレーの激しい時間競争の中で、目的や結論を短く、かつ魅力的に一瞬で伝え、投資家や従業員を動かしていた。
日本企業のビジネスパーソンが、目的や結論のわからないプレゼンを長々とし、相手に無視され、せっかくのチャンスを逃していたのとは対照的だった。
プレゼンというと、カラフルな図やグラフが並ぶものとイメージしている人も多いだろう。しかしプレゼンに限らず、人を動かすのに最も必要なのは「言葉」だ。その言葉を短く、魅力的にまとめた「箇条書き」がプレゼンの成否を握るのだ。
世界の最前線では、「短く、魅力的に伝える」ツールとして箇条書きが選ばれ、そして使われている。プレゼンに限らない。企画書・報告書づくり、メール作成、議事メモ、会議のファシリテーションなど、「短く、魅力的に伝える」箇条書きは、あらゆるビジネスシーンで使われている。
そこには共通の技術がある。わずか数行の箇条書きであっても、繊細で精巧な工夫が必要なのだ。
短く、魅力的に伝える箇条書き。そして人を動かす箇条書き。それらを『超・箇条書き』と呼ぶこととする。本書はそのエッセンスを伝えることが目的だ。
「たかが箇条書き」と、箇条書きを笑う者は箇条書きに泣く。目の前にあるチャンスを逃すことになる。たった数行の箇条書きで、あなたの明日が変わる。さあ、『超・箇条書き』のトレーニングを始めよう。
4万部突破のベストセラー!
『超・箇条書きーー「10倍速く、魅力的に」伝える技術』
シリコンバレー、戦略コンサル他、世界の最前線で、超一流は何をしているのか?
答えは「Bullet Points(ブレットポイント)」と呼ばれる“箇条書き”によるコミュニケーション。箇条書きは、英語や会計、ロジカルシンキングと同じくらい世界的に求められているスキルなのだ。
「短く、魅力的に伝える」。それが箇条書きの強みだ。
◆経営者や投資家を動かす「短く、魅力的な」プレゼン
◆無駄な情報がそぎ落とされた、企画書・報告書
◆ポイントが明確で、かつ一瞬で理解できるメール
◆意見が飛び交う会議をまとめるファシリテーション
箇条書きは、あらゆるビジネスシーンで活用されている。
そこには共通の技術がある。わずか数行の箇条書きであっても、
繊細で精巧な工夫が必要なのだ。
箇条書きを見れば、その人の思考、そして伝える力のレベルがわかる。
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