「手配師と仕事に行く“保護”の人たちやないかな。全額保護もらえばええのにな」

 保護費を受け取り、西成区役所の敷地を一歩外に出た路上で座り込んでタバコを吸っていた50代という受給者男性はこう語る。

 なお、これら区役所に横付けされる車やその周辺にたむろする人たちに、「あなたたちはどういう目的でここにいるのか?」と記者が問うと、彼らは無言を貫くか、「おんどりゃ~、シバキまわすぞ!」と凄みはするものの、ついぞ彼らから明確な回答を得ることはなかった。

ブラック業者の跋扈に
打つ手を持たない行政

 はたしてこうした実態を大阪市西成区役所は把握しているのだろうか。

「敷地外に、(ヤミ金融業者や貧困ビジネス業者、手配師などの)それらしい人がいるようですが、こちらから『お宅そうですか?』と聞くわけにもいかない」(大阪市西成区役所生活保護担当)

 明言を避けたものの、生活保護受給者を取り巻くこれらの存在を把握していることを暗に認めた格好だ。

あいりん地区には、生活保護受給者をターゲットにした宿も多数ある

 そして、「生活保護受給費は満額受け取ればいいというものではなく、就労して“生活に足りない分”だけ生活保護受給することも可能」(前出・同)とし、生活保護費支給日に手配師と思われる者が生活保護受給者をどこか就労現場に連れていくことは、それをもって即、違法とは言えないとの見解を示した。

 では、受給者本人以外の者が保護費を受け取ることは可能なのか。

 これについて大阪市関係者のひとりは、「受給者は大勢いるが、職員は受給者本人の顔をきちんと覚えている。だから、受給者以外の他人が生活保護費を受給することなどとてもできないし、チェックは厳格に行っている」と明確に否定したものの、どこか一抹の不安が残る話だ。