Photo by Yuiki Okusa
かつての回転寿司業態の王者である「かっぱ寿司」が厳しい状況に立たされている。2024年12月からなんと12カ月連続で既存店売上高・客数が前年割れとなったのだ。2026年3月期中間決算では増収増益を確保したが、同業他社と比較すると独り負けの状況だ。新連載『外食バトルロイヤル』の本稿では、カッパ・クリエイトの独り負けとなった要因とビジネス構造を探った。(ダイヤモンド編集部 大日結貴)
客が離れ続けた1年間
回転寿司業界で “独り負け”
回転寿司の「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトが、かつてない危機的状況にある。
2025年11月の既存店売上高前年比が95%、客数前年比が93%であったと発表。これにより、実に12カ月連続で売上高と客数が100%を割り込む異常事態となったのだ。
既存店売上高と客数の前年比とは、新規出店効果を除いた「店舗の実力」を測る、外食企業が最も重視する指標の一つだ。天候不順や土日祝日の配置、キャンペーンの有無などにより、単月で前年同月を下回ることはあっても、12カ月連続は異常事態だといっていい。
2000年代、かっぱ寿司は「一皿100円」の低価格競争を仕掛け、回転寿司業界を席巻。一時、連結売上高で他社を抜き去り、業界王者に君臨した。
そんなかつての王者は、なぜ独り負けの状況に陥ったのか。次ページで、客離れの要因とともに、向かい風の中でも増収増益を確保できた背景を解説する。







