富裕層やアッパーミドルを中心とした訪日客はすでに一巡し、一服感が出始めた。新たな訪日旅行者を掘り起こすには、さらにハードルを下げなければならないというわけだ。この「格安ツアー商品」が告げるのは、“訪日客の顔ぶれの変化”である。

 日本のインバウンドビジネスにおける先駆者である唐輝(仮名)氏は、中国からの訪日中国人客の動向を次のように分析する。

「この数年で北京や上海などの沿海部の富裕層は、たいていの人がすでに日本を訪れ、欲しいと思うものを買い尽くしました。これからは訪日するのは中間層よりも下の一般庶民になるでしょう」

 中国人客の訪日旅行、その変化は目まぐるしい。振り返れば2000年代、日本行きのツアーといえば「5泊6日4000元」が定番だった。1万元を超える高額ツアーが売れ始めたのは2010年を過ぎたあたりから。そして今、「6000元を超えるツアーは売れなくなった」(前出の旅行社)。高額品が売れた「爆買いバブル」の次に待ち構えるのは、またしても「安さ勝負」の市場なのだろうか。

(ジャーナリスト 姫田小夏)