新しい物流のビジネスモデルが必要
駅やコンビニに配達ボックス

 現場の過度な負担を減らすためには、時間指定などの過剰ともいえるサービスの見直しは有効な選択肢の一つだろう。ヤマト運輸の場合、全体の配達の2割を再配達が占めると考えられている。

 再配達は夜間に偏ることが多く、従業員への負担は増える。それでも、再配達分の追加料金は発生しない。利用者としては好きな時間に配達してもらえることは、確かに使い勝手がいい。多くの企業はパートタイマーを雇い、人手不足による現場の負担増加を軽くしようとしているが、抜本的な対策にはなっていない。

 特に、ヤマト運輸の場合、中興の祖といわれる小倉昌男氏の考えに基づき、サービス第一、利益は第二とする経営が重視されてきた。しかし、利益率の低下が続いている中、サービス優先の理念を踏襲し続けることには無理がある。新しい物流のビジネスモデルを考えていく必要がある。

 そのためには様々な選択肢が考えられる。住宅の前に配達ボックスを設置すれば、書籍などの荷物は留守中でも配達できる。ターミナル駅などにボックスを設置し、登録したIDなどを入力することで、そこに配達物を受け取りにいくようにするのも一つの方法だ。

 あるいは、コンビニなどで荷物を受け取ることができるようにするなど、改善できる部分は多いように思う。それ以外にも、機械化によって効率化を図る方法がある。すでに米国ではアマゾンがドローンを使った配達(プライムエア)の実験を始めた。もし、自動運転技術の実用が始まれば、運転手のいない車が荷物を届けることも可能になるだろう。

 一方で、宅配業者が配達料金を引き上げて、過剰な配送需要を抑えることも検討されることになるだろう。すでに、利益率の低い宅配事業を取りやめる企業も出ている。2013年4月、宅配便2位の佐川急便はアマゾンとの取引をやめた。理由はアマゾンの要求水準が高い反面、利益率が低かったからだ。それ以降、同社の利益率は改善している。

官民の力でイノベーションを
ドローンや自動運転技術を活用

 人手不足の影響から現場が業務の負担に耐えられなくなり、配達料金の引き上げやサービスの停止が増えると、ネットショッピングの利用者にとっては利便性が低下するだろう。