ソニー創業者・井深大氏も絶賛した『赤ちゃん教育』 が大人気の「脳科学の権威」久保田競氏と「脳科学おばあちゃん」久保田カヨ子氏。
これまで、育脳教育の最重要指針に「早期からの算数力アップ」を掲げてきた。なぜなのか?
『小学校前にみるみる算数力がつく15の習慣』 が話題の著者に「数ニューロンの秘密」について聞いた。

「数ニューロン」とは?

久保田カヨ子
(Kayoko Kubota)
脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。この20年で3000人以上の赤ちゃんの脳を活性化させてきた。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。累計38万部突破のシリーズ『0歳からみるみる賢くなる55の心得』『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法』『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育──頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』(以上、ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評
【脳研工房HP】www.umanma.co.jp/

「時間遅れリンゴ食べ課題」では、食べるべきリンゴの数にだけ反応しているのが「数(ナンバー)ニューロン」です。

 視覚指示後、食べるべきリンゴが1個のときと2個のときとで反応が違います。

 また、「数ニューロン」は、視覚刺激でも感覚刺激でも働くのですが、感覚情報に含まれる数以外の情報には反応しません

 加減乗除のそれぞれに関わる数ニューロンがあります(たし算だけ、ひき算だけ)し、加減乗除の2つに関係するニューロンもあります。

 また、何も写ってない写真を見せても、活動します。
 言葉、文字を理解するヒトでは、「ゼロ」や「零」という文字を見せたり、聞かせたりしてもわかります。つまり、「数ニューロン」は、数だけに反応するのです。

 文字のない民族でも、数はわかりますし、言葉を知らない赤ちゃんや幼児でも、数の違いがわかります。

数とは何か?

 では、いったい、数とは何でしょうか?
 数が、物の名前でないことは、誰でもわかりますが、「数は抽象概念である」と言われると、たいていの人はすぐには理解できないで困ってしまうでしょう。

 抽象とは一般化されたという意味ですが、2009年に「数は抽象概念である」と考えた脳科学者が脳関係の学会で発表しましたが、当時は「根拠がない」と否定されました。

  しかし、2016年になって、「数は抽象概念である」として、数と脳の総説が脳科学の専門誌に出るようになりました。