「数ニューロン」を初めて紹介したのは?
(Kisou Kubota)京都大学名誉教授、医学博士。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は、日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。1932年、大阪生まれ。著書に、『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法』『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』『あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法』(以上、ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。
「数を表すニューロン符号(The Neuronal code for Number)」が「Nature Neuroscience」の2016年6月号に出ています。
著者は、2002年に「数ニューロン」を初めて紹介した論文の著者の一人、アンドレアス・ニーダーです。
現在もドイツのチュービンゲン大学の神経生物学研究所(Andreas Nieder, Institute of Neurobiology, University of Tuebingen, Germany)で研究を続けています。
「数ニューロン」は加減乗除をして、数の答えを出してくれる。答えを言うか、紙に書くかしなければならないのですが、そのとき、別の前頭前野ニューロンが働きます。
暗算ができるようになると、子どもの海馬でも大人のように働くので、頭頂小葉に答えそのものも、加工された概念も記憶されることになるのです。
「数ニューロン」は計算にしか働かないので、計算結果は、前頭前野のニューロンを働かして行動を起こすか、海馬を経由して、頭頂小葉に記憶・保存されます。これが「抽象概念」です。
前頭前野の「数ニューロン」で計算が行われても、脳が働かないまま。数の答えをどうするか、考えなければならないのです。