介護される親も子どもの幸せを望んでいる

そしてある日、両親に夫婦で旅行に行きたいと切り出しました。
かなり勇気が必要でしたが、「ゆっくりしてきなさい」と両親は快く送り出してくれました。
結婚直後から介護に追われる娘のことをずっと心配していたのです。

妻を実家に取られたように感じていた夫も、旅行を機に、通院に付き添ったり、両親に得意料理をふるまったり、Eさんを応援してくれるようになりました。

親は子どもの人生を犠牲にしようとは思っていません。
介護のために恋愛や結婚をあきらめたりすれば、逆につらいはずです。
がんばりすぎず、自分自身の幸せと両立できる方法を見つけてください。

●ポイント
恋人やパートナーに嫌われたくないと思い、介護のつらさを1人で抱え込んでいると、相手が「打ち明けてくれない=信頼されていない」と感じて、破局する例もよく聞きます。

悩みを分かち合えないことに失望してしまうのです。
大切な人には素直に悩みやつらさを打ち明けるほうが、結びつきが強くなります。

けっして介護を理由に、恋愛や結婚をあきらめないでください。
誰もが自分の人生を生きる権利があります。
あなたは、幸せになっていいんですよ。