本当に自立した人は孤独じゃなく、人と深くつながっている
堀江 「坂東さんのエピソードの中で、すごく印象に残ったのがアメリカのハーバード大学に留学された時の話で、あの経験が自分の考え方を変えるきっかけになったということでしたね。ホストファミリーのメアリーさんによくしてもらったとか。あとは、何かレポートを書く時に、みながいろいろ応援してくれたとか。それを読んで思ったのが、本当に自立したいという人は孤独じゃなくて、人と深くつながっているんだなということです」
坂東 「あのときは、みなが応援してくださったと思いますね。なぜ、ハーバード大学に行ったのがいいきっかけだったかというと、日本にいる時には、人からそんなに応援してもらうという実感がなかったんです。もちろん、本当は支えてもらってはいるんですけどね。でも、アメリカに行くと、英語もろくろく話せないし、いいたいことが十分に言えないし、日本で、一応、公務員としてこんなことをやってきましたとか、大学はどこでしたなんて言っても、ハーバードでは『それが何?』という程度のものですからね。その中で、自分も相手に何もメリットを与えてあげることができないのに支えてくださる人がいるんだと感激しました。ギブアンドテイクという、自分が相手にとって役に立つから、相手も自分を支えてくれるんじゃなしに、無償のサポートをしてくれる人がいるというのは、本当に感動しましたね」
堀江 「そうですよね」
坂東 「あとは、メアリーだけじゃなしに、他にもいろいろな人たちが実は助けてくれているのに気が付かなかっただけなんだと思いました。その人たち、一人ひとり全員に恩返しはできなくても、今度、自分を必要とする人がまわりに来たときには、そういう人たちを助けて上げるのが、今できることなのかなというふうに思いましたね」
堀江 「『女性リーダー4.0』の中でも、相手中心といいますか。部下を持ったときの指導の仕方も、こちらの出世のために指導するというのではなく、部下にこういう話し方をすればいいんですよと、こういう言い方をするとこういうふうに伸びやすいんですよというように、いろんなパターンで書いてありますね」
坂東 「部下を上手に使う方法だとか、うまく働かせるハウツーということだと、そんのは言われた部下もわかっちゃうんですよね。だから、親身になって考えて、よかれと思って言ってくれてるんだと思うと、きっといいチームになるんじゃないかなと思います」
後半につづく