世界中でインターネット上の脅威が爆増するなか、個人や企業の情報セキュリティ需要が高まっている。加えて足もとでは、クラウド環境に対応するためのストレージ管理や、災害に備えるためのデータ・バックアップにも、企業の注目が集まっている。まさに、あらゆる角度から情報保護が求められる時代に突入したのだ。セキュリティ・ソリューションで世界のトップベンダーとなったシマンテックは、こうした情報保護に関わる全ての分野でシェアを拡大し、成長を続けている企業の1つだ。シマンテック(日本法人)の河村浩明・代表取締役社長/日本担当バイスプレジデントに、最新の市場動向と今後の戦略を詳しく聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集長 麻生祐司、小尾拓也)

インターネット上の脅威に加えて災害リスクも
情報の保護・管理が企業の「最優先課題」に

かわむら・ひろあき/シマンテック(日本法人)代表取締役社長、日本担当バイスプレジデント。1956年生まれ。福岡県出身。東京大学卒業。 1979年日製産業(現・日立ハイテクノロジーズ)入社。その後、EMCジャパンで執行役員、日本オラクルインフォメーションシステムズで執行役員、日本オラクルで常務執行役員、サン・マイクロシステムズで代表取締役社長を歴任。2010年より現職。
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――インターネット上の脅威や災害などによる事故が増大するなか、個人や企業の情報保護ニーズはこれまでになく高まっている。多様化するニーズに対応するため、シマンテックはどのような事業体制を構築しているか。

 セキュリティ・ソリューションにおいては、世界のトップベンダーになることができた。今は個人・法人向けのセキュリティに、法人向けのデータ・バックアップとストレージ管理を加えた3つが、事業の柱となっている。ソフトウェアを軸に、個人と法人の双方に向けて総合的にサービスを提供できることに、シマンテックの強みがある。

 米国本社のエンリケ・セーラムCEOは、シマンテックを「顧客企業の情報を保護、管理する企業」と位置づけている。セキュリティ面ではサイバーアタックからいかに情報を守るか、データ・バックアップとストレージ管理面では災害やシステム障害からいかに情報を守っていくかが、ビジネスの基本理念となる。