「オペレーション」でない採用をしないと良い人材は獲れない

 採用活動の主体を「母集団採用からソーシャル採用へ」ということは「オペレーション採用から学生に向き合う採用へ」と言い換えることもできます。

 一方的に情報を伝える採用から、ソーシャルメディアやオフ会を介して、学生とインタラクティブに、お互いの中身を知っていくための採用へとシフトしていったのです。

 それらは副次的効果も発揮し、採用担当者自身も、自信を持って「自分たちは正しいことをしている」という感覚が芽生えていきました。

 こうしたソーシャルメディアの取り組みは結果として母集団を減らして適切な規模に抑え、採用活動の質を上げることになりました。各メディアからも三幸製菓の採用は「脱ナビ採用」でSNSを上手に活用する会社、という評価をされるようになったのです。

 しかしながら、ソーシャル採用を2年ほど行ううちに、今度はこの採用法にも課題が見えてくるようになりました。

 母集団型の採用からシフトする狙いの一つに、多様な学生を確保する、という目的もあったのですが、SNSで学生とのコミュニティが強くなってみると、応募してくれる学生の同質性が高まるという事態が起きたのです。今度はこのソーシャル採用も見直し、変革させていく必要に迫られて行きました。

 この後、ソーシャルメディアを中心にした採用スタイルから続いて、三幸製菓の採用は第3フェーズに入っていくことになります。キーワードは「科学に基づく独自採用」です。

(モザイクワーク代表取締役 杉浦二郎)