発足から半年を迎えたトランプ政権を「ロシア疑惑」の暗雲が覆う。
トランプ大統領の長男や娘婿で上級アドバイザーのジャレッド・クシュナー氏が、大統領選(予備選)の最中の2016年6月9日に、「ヒラリー(クリントン)を追い落とす情報を持つ」というロシアの弁護士と面会していたことが、新たに発覚した。トランプ陣営の中枢の“関与”が明らかになったことで、「ロシア疑惑」はこれまでとは違う新たな局面に入った。
クシュナー氏は24日、米議会で証言し、「ロシアと共謀したことはない」と弁明した。ロシアとの「接触」すら否定してきたトランプ陣営は、いまは接触を認め、「共謀はしていない」と弁解するまで後退している。疑惑追及への防戦でトランプ政権は身動きが取れなくなる事態もあり得る。とりわけトランプ政権の要ともいえるクシュナー氏の職務遂行にはかなりの逆風になりつつあり、今後のトランプ政権の行方に少なからぬ影響を与えそうだ。
「ヒラリーを追い落とす情報なら素晴らしい」
「ロシアのトランプ氏への支援の一部だ」
クシュナー氏の議会証言の焦点になったのは、7月に入って明らかになったトランプ陣営とロシア側の「会合」。
2016年の米大統領選の予備選の最中の6月9日、、トランプ陣営の中枢にいた長男のドナルド・トランプ・ジュニア氏がロシア人の弁護士と、トランプタワーで面会していたことだ。トランプ氏が、大統領選で共和党の予備選を勝ち抜き、共和党候補としての指名を得ることをほぼ確実にしていた時期だった。
衝撃的だったのは、「6月9日の会合」の1週間前、面会をセットしていく際の6月3日、仲介者の音楽プロデューサーとの間で交わされた以下のメールのやりとりだ。