売却不動産に関する資料は整理しておくこと

「6. “暗い部屋”は電気をつけよ」

 室内はとにかく明るい印象に。日当たりが悪いなど、明るくないお部屋や廊下は電気をつけておくと効果的だ。

 不動産仲介会社が見学者を案内する際には事前に連絡があるから、陽あたりのよくない部屋や廊下などは照明をつけておくと印象が明るくなる。古い蛍光灯などは、取り替えておくといい。


「7. 物件を売り込むな」

 見学者に、ご自宅を売り込んではいけない。売りたいがあまり、見学者にまとわりつき、つい熱弁を奮ってしまう所有者が時々いる。しかしそれは逆効果だ。

 ただでさえ他人の所有物に立ち入ることに遠慮している見学者も多い。もし何か聞かれたらお答えする、という程度でちょうどいいのだ。

「8. 逃すな!絶好の見学日は“土日”や“祝日”」

 土日・祝日は、物件見学希望が最も多いとき。せっかくのチャンスを逃さないよう、なるべく自宅にいるようにしよう。出かける際には、仲介業者に連絡を忘れずに。

「9. 売却不動産に関する資料を整理せよ」

「分譲時のパンフレット」や「建築時の設計図」があると、購入希望者はリフォームやメンテナンスに役立てることができる。また、大切な資料を保管してきたことで、「大切に住まわれてきた家」という印象をあたえることができる。

 さくら事務所のホームインスペクション(住宅診断)経験では、図面などを保管しているケースはおおよそ50パーセントくらいだ。今回はスペースの都合上、詳しく言及しないが、所有者が図面などの情報をほとんど保管していないことがそもそも、異常な事態と言えるだろう。日本ではそのような健全でない状況のもと、中古住宅取引が行われている。

「10. 見学者が知りたいことを教えよ」

 見学者が知りたいのはズバリ「生活情報」。もしもここに住むとしたら、買い物はどこに行くのか。学校はどこで、評判はどうか。駅までの道のりは暗くないか。近所づきあいはどうかなど。

 所有者が暮らしてきたなかで感じることや生活の動線、地域の決まりごとなど、物件を見ただけではわからない情報、日常の生活に関するソフト的な情報を知りたがっている。このようなことは不動産仲介会社よりむしろ、そこで暮らしている所有者から伝えるほうが効果的だ。