周りに気づかれないように
タイムカードや出勤簿をコピーする
では、具体的にどんな準備をすればいいのか、言い換えれば、どんな証拠書類を集めればいいのか、労働審判に申し立てすることを前提に必要かつ効果的な証拠書類、および準備の仕方をあげていきましょう。
残業実態のデータは、タイムカードや出退勤時間がわかる出勤簿があれば完璧です。しかし、タイムカードや出勤簿は会社が管理・保管しています。総務部などに行って、「私のタイムカードをすべてコピーさせてください」と願い出て、「どうぞ」と応じてくれればいいのですが、そうはいきません。
まずは当然「なんのために?」と聞かれます。会社は理由もなく、重要書類を社員にコピーすることはありませんし、社員の要求に答える義務もありません。
在職中であれば、現実問題としてどうしたらいいでしょうか。すばり“こっそり”とコピーしておくことをお勧めします。見つかれば問題になるかもしれませんが、そのときは覚悟を決めればいいでしょう。
「残業しているのに、残業代が出ないのはおかしいと思っているので、自分の残業実態のデータをコピーしているのです」覚悟を決めれば、このくらいのことは言ってもいいでしょう。“覚悟”とは「いざとなったら退職してもいい」という覚悟です。悪いことをしているわけではないので、退職する必要はないのですが、あれこれ現実的に考えると、その覚悟ないとうまくいかないと私は思うのです。