その1 消費税は景気に左右されずに安定している

 過去20年間、所得税収は下がり続けました。30兆円近くあった所得税収は2010年は年間12兆円程度まで落ち込んだのです。法人税収も下がり続けています。小泉政権の時に輸出産業が息を吹き返し、多少税収が増えた時期もありましたが、やはり過去20年間下がり続けています。所得税の最高税率、法人税率、ともに世界最高水準の高さであるにもかかわらず、です。

 その点、消費税による税収は非常に安定しています。1997年に5%に引き上げられてから、ほぼ一貫して10兆円程度の安定した税収をもたらしてきました。消費税は景気に左右されないのです。医療費や年金、失業保険などの社会保障費は景気が悪くなったからといって簡単に減額するわけにはいかないのですから、当たり前ですが安定している税源が好ましいでしょう。この点からも国の税収の中心を消費税にするべきなのです。