思い込みは恐ろしい

 ひとつ例題をやってみましょう。次の二枚の写真をご覧ください。

答えはいつも、自分の枠の外にある!

 これは出張先で滞在した、あるホテルのカードキーですが、皆さんならどちらの面を上にして差し込みますか? こうした日常のなにげない見方に、実はあなたが成功するか、失敗するかのヒントが隠されているので、よく考えてみてください。

 私は、左側の、カードの入れ方やRoom No.が書いてあるほうが上だと思い込んでいました。なぜなら、私の認識では、クレジットカードなど磁気テープがある面は裏であり、その面を表にして入れることは経験上ないと思い込んでいるからです。

 しかし、図のとおりにやっても、いっこうにドアは開いてくれません。結局5分近く悪戦苦闘したあげくギブアップし、ボーイさんに上がってきてもらいました。そして、彼がカードをスッとひっくり返して(!)差込むと、ドアは見事に「カチッ」と開いたのです。カードをひっくり返す、という発想は、私にはありませんでした。この出来事から学んだのは、自分が思うのと反対の行動にチャンスがある、ということです。

 たとえば、私はなるべく『面倒くさいと思った集まりには参加する』ように努めています。なぜなら、これまでを振り返ってみると、いつも、「いやだなあ、雨だし……」「行っても、得るものがないかもなあ……」と思って出かけた場で、必ずといっていいほど、出会いやチャンスに巡り合っているからです。そうした自分なりの逆バリ的な見方を意識することで、仕事においても自分の可能性を広げることができるのです。