第3位:
世界最大のシェアリングエコノミーを紹介『滴滴:分享経済改変中国』

『滴滴:分享経済改変中国』
人民郵電出版社(中国)刊

 中国で発刊され、まだ日本語に訳されていない中国語の書籍。原題は『滴滴:分享経済改変中国』。SERENDIPでは『滴滴:シェアリングエコノミーは中国を変える』というタイトルで、日本語版のダイジェストを配信した。

『滴滴:シェアリングエコノミーは中国を変える』は中国の人民郵電出版社から2016年7月に刊行された単行本。実は世界最大のシェアリングエコノミー(共有型経済)プラットフォームである「滴滴出行」のビジネスモデルや急成長の要因を、経営学者の張暁峰氏らが論じている。

 滴滴出行は、いわば「中国版Uber」。つまりタクシーや、タクシーの役割を果たす一般車両の配車サービスだ。2012年6月創業で、瞬く間に利用者数を拡大。本書刊行直後の2016年8月にはUberの中国事業(人民優歩)を株式交換による合併方式で買収し、Uberは中国事業から撤退するかたちとなった。

 日本経済新聞の今年10月30日付の報道によれば、滴滴出行は来春にも日本でサービスを開始する。それ以前に、ソフトバンクグループが出資したことでも話題になった。しかし、本書のSERENDIPダイジェストを配信した昨年11月の時点では、日本での一般的な知名度はきわめて低かったと思われる。それでも配信開始当初から本ダイジェストは人気が高かった。今回の集計対象の情報感度の高い経営幹部たちは、軒並み中国の動向には敏感に反応する傾向がある。

 アリペイなどのモバイル決済が普及し、現金を持ち歩く人が激減するなど、中国社会は大きく変化している。巨大な国内市場を抱えるだけに、乱立するイノベーション企業や政府の動きには、グローバル企業ならば否が応でも注目せざるを得ない。今回、未邦訳海外書籍ダイジェストの中でも欧米よりも中国の書籍の人気が高かったのは、やはり「先読み」の視線、新しい発想を手に入れたいといったニーズの高さの現れといえるだろう。

 今回ピックアップしたトップ3のキーワードは「働き方改革(生産性向上)」「イノベーション」「中国」だった。次ページに4位以下のラインナップを掲載するが、それを見ても、生産性向上やイノベーション的発想に関する書籍が多くなっている。