年末になると悩むのが来年の手帳の使い方。今や手帳は夢や目標の管理と並んで、自分だけの習慣管理ツールとなっている。ただ、手帳に多くの役割を担わせる分、自分にジャストフィットする手帳は簡単には見つからない。気に入った機能があっても、どこかで気にくわない部分が出てくるもの。しかし、今は自分にぴったり合う「マイ手帳」は、自分でつくる時代。どんな手帳も自分仕様にカスタマイズして「最強のサポートツール」にする方法を5回の連載で紹介。
手帳を自分で作る時代がやってきた!
手帳を自分で作る時代が始まっている。それを実感したのは、ここ数年のことです。毎年10月ごろに発売される各種ビジネス雑誌の手帳特集号には、豊富なユーザー事例が掲載されています。そして、どれをとっても同じものは二つとありません。どのユーザーも必ず独自の工夫をしています。
記入法、ノートとの組み合わせ。見直しの習慣やふせんの活用術などさまざまですが、自分に最適な方法を見いだしてそれを実践しているさまは千差万別です。
歴史をさかのぼると30年ほど前には、手帳は会社が支給するものでした。表紙の見返しに社訓が入り、本支店や海外拠点一覧が巻末に記載されていました。それはまだ終身雇用制が生きていた時代でした。当時の手帳は、単なる備忘録と考えられており、そこに自分なりの工夫をする余地はありませんでした。いや、そういうことを思いつく人はほとんどいなかったのです。
ところが平成不況をきっかけに終身雇用制が終わりを告げると、手帳は夢や目標を管理し、アイデアを生み出す道具として再発見されました。 パソコンによって記録の重要性が認知されていたこともあり、手帳はどこでも使えて電源もいらないもっとも手軽な記録手段として見直されたのです。
そして、手帳を工夫することは、有限な資源としての時間をよりよく活用するために不可欠なプロセスだと認識されています。雑誌の手帳特集で自分の工夫を披露している人たちは、そのことにいち早く気がつき実践しているのです。
今まで手帳が好きな人たちは、「どれが最強の手帳か」という問いを、延々と繰り返してきました。その答えは、あるときは数十年の歴史を誇るオーソドックスな定番手帳であったり、あるときは社会的ステータスを持つ人物がプロデュースする手帳であったりという変遷をたどってきました。
しかし、誰かの成功の神話も、カリスマの伝説も、あなた自身が考えて展望するビジョンとは異なります。少しでも似ていることがあったとしても、決してジャストフィットすることはないはずです。
そして手帳をカスタマイズし、自分だけの「マイ手帳」を作り上げることは、国家でも会社でも手帳メーカーでもなく、どこかの社長や大学教授でもない、他ならぬあなた自身が、あなた自身の未来のための機能を手帳の中に準備することなのです。
あなたの思い描くビジョンを実現するための最強のサポートツールは、あなたにしか作れません。市販の手帳をカスタマイズしてマイ手帳を作り上げることは、世界にたった一冊の、「自分だけの最強手帳」を作ることに他ならないのです。
マイ手帳を作るために、ベースとなる手帳はどんなタイプのものでもかまいません。 普通の手帳の中に、夢や目標管理、ToDoリスト、ライフログ、アイデアメモなどの機能を効果的にインストールしたり、時にアクセサリーとなる文房具を活用して手帳自体を増設することも可能なのです。