南川も同感で「現場の職人が考えるようになった。それにエンドユーザに届けるものをつくる喜びも大きい。職人たちが子どもに自慢できる」と言う。

 南川が社長を務めるミナミ技研では、トランペット型のiPhone用アナログスピーカー「アイブラス」という自社ブランド製品を開発しており、今後、アイブラスを育てていく上で、マネジメントやマーケティングなどが勉強できたと語る。「職人だけでなく、経営に対する考え方も変わってきました」と南川。

職人も経営者も変わった
国内展開よりも海外で土台を

 こうした中小企業の水平連携は、助成金を使い切ると空中分解するケースが多いが、杉田は「同じ方向を向いているメンバーだけで進めることが大切です。そして、デザイナーも製造者も言いたいことは言うというオープンさがないと続きません」と語る。

 藤澤は行政などの支援も重要と語る。

「今回、横浜市や横浜企業経営支援財団の協力を得ましたが、これまでにないつながりができて、視野も広がりました。おんぶに抱っこはいけませんが、政府はいま中小企業の海外進出支援に熱心なので、行政と協力体制を築くことは重要です」

 YMVとして、今後も国内展開は考えずに海外で土台を固めたいと言う。デザインも技術も海外の方が正当に評価してくれるので、海外で利益を出す体制を整えて後に日本へ逆輸入する形を狙う。YMVのモデルは多くの中小企業に役立つ。今後とも動向を注視したい。

(本文敬称略)


ヨコハマメーカーズヴィレッジ

事業目的:中小金属加工会社によるものづくりブランド
メンバー数:加工会社10社+デザイン会社
代表所在地:横浜市金沢区鳥浜町14-16 株式会社ニットー内
代表電話:045-772-1371
URL :https://www.y-m-v.jp/

(ルポライター 吉村克己)