保険会社では、成績がいいセールスマンは独立して代理店になれる制度があります。代理店の社長となると個人事業主でもあるので、人を雇って仕事を任せなければ仕事が回らなくなります。

 しかし、スーパーセールスマンだった人は、自分一人ですべての業務をこなそうとしてしまうのです。

 いままでどおりに営業もこなしながら、事務作業も資料の管理なども、すべて自分だけでやろうとしてしまいます。しかも、自分以外のセールスマンを育てようとしません。いや育てる余裕がないのです。

プレーヤーとマネジャーは
「別人格」ほどに役割が違う

 そもそも保険業は紙の資料が多いので、その管理は大変です。独立しても一人では管理しきれずに、何かあるたびに元の会社に行って、「あの保険の約款、どこにあったっけ?」などと事務の担当者に聞いて、準備してもらったりしていました。それだと結局、会社に勤めていたときと状況が変わりません。

 自分の事務負担が増えて、営業としての活動量が減るから売上が落ちる。結局、元の会社に社員として戻るスーパーセールスマンを何人も見てきました。

 本来、プレーヤーとマネジャーは「別人格」といっていいほど、その求められる役割はまったく違うものです。業務も異なりますし、メンタル面で求められるものも違います。同時にこなすほうが至難の業なのです。

 ですから、本当は、経営者が社員にスーパープレーヤーのままでいてもらうのか、マネジャーになってほしいのかを考えなくてはなりません。マネジャーになってほしいのなら、プレーヤーからは引退してもらうぐらいの覚悟を経営者側が持たなければいけないのだと思います。

 それができないのなら、せめてプレイングマネジャーとしての心得を社員に伝えて、取り組み方を考えてもらうしかないのではないでしょうか。