今、激動の時代だからこそ、時代を超える普遍の著作に学ぶ――50近くに上るドラッカー著作のうち、すでに絶版となってしまった初期の“記念碑的作品”8タイトルを、電子書籍限定で復刊。ドラッカーの功績を振り返るとともに、過去にダイヤモンド・オンラインに掲載されたドラッカー関連記事のうち、PVベスト5を紹介する。*【第3位】「本当の目標管理はドラッカーのMBO-S 個人、チーム、組織を伸ばす 目標管理の教科書」。初出は2012年6月27日。

ドラッカーが目標管理に込めた思い

 目標管理は、ピーター・ドラッカーによって提唱されましたが、ドラッカーはそれを「MBO-S(Management by Objectives and Self-Control/マネジメント バイ オブジェクティブズ アンド セルフ・コントロール)」と表現しました。

 キーワードは、「マネジメント」「オブジェクティブズ(目標)」「セルフ・コントロール(自律統制)」の3つです。

 今回は、この3つのキーワードをもとに、本当の目標管理(以下、MBO-S)とはなにかを探っていきたいと思います。

マネジメントとは「人と仕事をうまく結び付ける」こと

 まず、「マネジメント」から見ていきましょう。

 一般に、マネジメントは「管理」と翻訳されますが、この言葉が問題です。

 そこには偉い人が部下を看視・監督するというにおいが漂います。

 また、管理と訳してしまうと、マネジメントの語源である「マネージ(Manage)」が持つ、「一見不可能と思われる事柄を、あれこれ工夫を凝らして、なんとか実現する」という意味が消されてしまいます。

 では、どう訳せばいいのか。

 やはり、語源に即して訳すべきでしょう。
 私はマネジメントを、「なんとかして、人と仕事をうまく結びつけること」と訳しています。