高齢者の「待ち時間」が長くなっている病院
レジで「今さら現金で払う?」と舌打ちする若い男性

 高齢者の通院も最近段々と待ち時間が長くなってきています。

 なぜなら、アプリでの予約ができるようになったからです。スマホが使える人であれば、指一本で予約番号を獲得し、わざわざ早く病院に行って並ぶ必要がありません。

 ところが高齢者は早朝から病院へ行き、診察開始前よりも並んでいるのに、後から来る人が続々と自分たちの順番の前に入っていき、どんなに待っても診察室には入れません。また、最近はスマホによる振り込め詐欺も多発しているとの報告があり、被害者の多くは高齢者です。

 先月上海へ出張した際の出来事です。コンビニのレジでゆっくりと財布から小銭を出そうとしている高齢の男性が、目が悪いせいかのろのろしていると、後ろに並んでいた若い男性が舌打ちして「今さら現金で払う?」と罵っていました。

 また、レストランで隣のテーブルにいた年配の女性が、若い店員さんにスマホ決済を要求された時の、途方に暮れた顔が忘れられません。

 もはや、モバイル決済などで最先進国であると言われる中国では、日本と別の意味での高齢者による「買い物難民」、「外出難民」、「通院難民」などが続出してくるのではないかと思われます。

「経済の発展」や「社会の進歩と成熟」とは、一体何を基準に測られて評価されるのでしょうか。

 日本に観光や仕事でやってくる中国の人たちによく感心されるのが、日本の公共空間の、高齢者や障害者が行動しやすいインフラとソフトサービスによる街の優しさです。