小室 他社でもよくある話ですね。

鈴木 数字を「見える化」すれば、そんなことは不可能になるわけです。評価がおかしければ、支店長の採点能力がない、人を見る目がないということになりますから。

終電間際に「座っているだけ」
長時間労働が常態化した現場

鈴木 私が社長になったころ、女性は1人で営業してはいけないという決まりもありました。「どうして?」と聞いたら、「1人で訪問するのは危険です」と。1人が危険だというなら、男性も一緒。男性は自由に営業できて、女性は1人で動いてはダメと言われて、それで対等に戦えと言われても無理ですよね。そこで、女性1人でも営業できるようにしました。

小室 次々に変革して来られたんですね。そして、女性活躍推進からスタートして、次第に労働時間の問題に踏み込まれていった印象があるのですが、2つの問題がどうつながっていったのでしょうか?

鈴木 もともと自分が営業をしていたときから、どう考えてもダラダラ仕事をしていると思っていたんです。朝7時に出社して、夜11時〜12時まで残業をしていたら、どうしても昼間は喫茶店で寝ることになる。実際、喫茶店に行くと、先に来て寝ている人がいた(笑)。

小室 当時は、それが許されたんですね。

鈴木 最終的に数字を出せば、途中で寝ようが何をしようが関係ない。でも、夜11時まで会社にいても、電話するところなんてない。当時は思い出しても不思議な光景がありました。11時半頃、課長がさすがに部下を帰らせようとすると、支店長がバッと立ち上がって「お前たち、もう終わったと思ってるだろうが、ここからだぞ!」と。そこから誰1人会話もせずに、ただじーっと座っているだけ(笑)。

小室 それは何をさせたいんですかね?

鈴木 そういう時代に育ってきて、それで成功して支店長になった人なんです。本人も上からそう言われてやってきたんでしょうし。本当にこれは無駄だなあ、と。