端的に言えば、誰が主役かということです。前者はスライドが主役、後者は話し手が主役となっているのです。
昨今、スライドに頼るあまり、話し手の存在感がまったく感じられないプレゼンが増えているのではないでしょうか。これでは、人は動きません。
話し手が、聴衆の方に顔を向け、聴衆のためを思い、心を込めて、したためてきたメッセージを語りかける――。そのような、直接語りかける言葉には、聞き手の心を動かす力があります。聴衆の感情と行動にインパクトを与える力があるのです。
スピーチ力は、あらゆるプレゼンの基本
言い換えれば、あらゆるプレゼンは、スピーチ力が基本になると言えます。
考えをきちんと整理し、練った言葉と自然な身振り手振りで、聞き手にメッセージを語りかける。そして、絞り込まれた数の効果的なスライドで補足すれば、どんなことも伝えることができるのです。
語りの力で聴衆を感動させるスピーチから、私たちは多くを学ぶことができます。オバマ大統領、スティーブ・ジョブズといった著名人や、アメリカから全世界に広がるスピーチの殿堂TEDなど、参考にできる例はたくさんあります。