“影”の部分を突きつけられた
一部先端企業

 私たちは、先行きへの光というべき先端企業の成長期待に心を躍らせるあまり、そのビジネスに潜む影の部分に十分な意識を向けてこなかったかもしれない。その意味では、今回の事件をきっかけにして、それぞれの企業のビジネスモデルを冷静に考えてみる意味は大きい。

 フェイスブックの場合、SNSユーザーである個人などの情報を集め、それをビッグデータとして外の企業などに売ることがビジネスモデルだ。すでにフェイスブックはEメールに肩を並べるコミュニケーション手段としての存在感を示し、世代を問わずユーザーは多い。

 問題は、そのデータの売却後の動きを完全に捕捉するのが難しいことだ。今回のように、契約者を経由して第三者にデータがわたり、それが選挙対策に使われるなど、だれが、何のためにそのデータを活用するかをコントロールすることには限界がある。

 独占禁止法違反を理由にEUがGoogleに約3000億円の制裁金を課したことにも見られるように、特定の企業が膨大な個人データを管理し、それを売却すること自体、かなりのリスクが伴う。

 一方、ウーバーはアプリケーションシステム、機械(デバイス)を開発することで装置が安全性を判断し、運転を行うテクノロジーを実用化して収益を得ようとしている。自動運転技術が実用化されれば、確かに、移動は便利になるだろう。

 しかし、今回のような事故をどう防ぐかは根本的な問題だ。自動運転が交通事故の減少につながるという発想に対する疑念が高まることも考えられる。

 報道されている事故では、人間が運転していた場合でも避けることは難しかったかもしれない。しかし、私たちが行ってきた判断をすべて機械、システム任せにしてよいかは別の問題だ。

 事故が起きた際、その時の気象状況、システム管理会社の責任、デバイスメーカーの責任、そうしたものをどう判断すればよいか簡単に片づけられる問題ではない。そう考えると、これまでの自動運転技術を重視する考えが、本当に私たちの満足度を高めるか否か冷静に考えるべきだ。