「段階」に合わせた部下育成は、
業界や職種を越えた共通性がある

 我たちは、企業で働く多くのビジネスパーソンにインタビュー調査を行い、研究を深めました。驚くことに、ビジネスパーソンの「成長段階」と、それに合わせた「育成方法」は業種や職種を越え、共通性が高いことが分かってきたのです。それは言わば、部下の成長段階をとらえ、指導・育成する際の「ものさし」といってもよいのではないでしょうか。

  この「段階」が後ほど紹介する、「ビジネスパーソンの10のステージ」というものです。連載では、一般社員の4つのステージについて主に話をしていきますので、10のステージについてはざっと押さえていただくだけでOKです。

 ではさっそく見てみましょう。

一般社員層:4つのステージ(段階)

  部下である一般社員層のメンバーには、次の4つの段階があります。段階が上がるにつれて、担う役割も広がっていきます。

なかなか自立しない若手、くすぶるベテラン。<br />なぜ部下育成はうまくいかないのか?一般社員の4つのステージ
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1.スターター(Starter/社会人):ビジネスの基本を身につけ、組織の一員となる段階

2.プレイヤー(Player/ひとり立ち):任された仕事を一つひとつやりきりながら、力を高める段階

3.メインプレイヤー(Main Player/一人前):創意工夫を凝らしながら、自らの目標を達成する段階

4.リーディングプレイヤー(Leading Player/主力):組織業績と周囲のメンバーを牽引する段階

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