国内の就職活動戦線における銀行志望の退潮は、世界的なトレンドと考えるべきだ。海外勢の取り組みと比較すると、わが国ではフィンテック事業への投資が少ない。その中で、銀行業界が米中のライバル行、アリババをはじめとするIT先端企業などと互角に競争していくためには、経営の発想を抜本的に見直す必要がある。銀行が新しいビジネスモデルを社会に提示できるか否かが問われる。

 金融仲介など銀行の発想からITを考えるのではなく、ITから金融ビジネスの効率性や新サービスの創出を考える経営が必要だ。

 突き詰めていえば、ITテクノロジーを用いて金融機関にできることがあるのなら、やってみる。新しい発想を取り込み、収益の源泉に育てようとする、より前向きな発想があってよい。

 すでに取り組みが進んでいるクラウドファンディングなどは、いち早くサービスに取り込むべきだ。クラウドファンディングで資金が集まるということは、人々がそのプロジェクト、企業の成長を期待し、潜在的な需要があるということだ。その分野に資金を配分することができれば、銀行の収益性は高められるだろう。

 これまでに蓄積されてきた信用審査などのノウハウ、融資先や取引先のネットワークを活用することも重要だ。それにより、既存のクラウドファンディングにはない信頼性という付加価値を生み出すこともできるだろう。

 国内の銀行業界は、これまでの経験、ノウハウにネットワークテクノロジーを重ね、金融サービスのプラットフォーマーを目指すべきだ。新しい取り組みを進めビジネス発展の期待を示すことができれば、銀行が必要な人材を引き付けていくことはできるだろう。