夫婦が離婚したら、障害を持つ子どもはどうなるのか
普通よりお金がかかる障害を持った子どものために、不倫夫からいかに多くの養育費をとって離婚できるかは、妻にとってヘビーな戦いだ(写真はイメージです)

夫婦が離婚したら、障害を持つ子どもはどうなるのか――。これは深刻な問題です。シングルマザーである夫の愛人に乗り込まれた妻は、ダメ夫に愛想を尽かして離婚を決意。そこで焦点になったのが、普通の子どもよりお金がかかる発達障害の娘のために、夫からいかに多くの養育費をとれるかでした。愛する者を守り抜くための「戦い」が始まったのです。(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)

発達障害の子どもを抱え
苦労を重ねる妻を襲った惨事

「子はかすがい」という言葉があるように、子どもは夫婦の関係をつなぎとめる存在。性格や考え方、金銭感覚……夫と妻は血がつながっていないのだから大なり小なり溝が生じるのは仕方ありませんが、それでも1つ屋根の下で暮らし、支え合い、助け合い、そして励まし合うのは「子どものため」という大義名分があればこそ。

 子の父親、母親なのだから、自分より子どもを優先するのは当然であり、家庭を放り出し、無視を決め込み、金銭を使い込むようなことは起こらないはずです。子どもが障害を抱えていればなおさらでしょう。ただでさえ子育ては体力的、時間的、そして精神的に大変ですが、障害の子を育てるのはもっと大変です。だから夫婦は一層一致団結しなければならないし、家族の絆はますます強まるはず。私はそんなふうに信じたいのですが、今回、私のところへ相談に来た武田千絵さん(40歳)の夫は、その限りではなかったようで……。

<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名。年齢は現在)>
夫:武田康太(46歳)→会社員(年収450万円)
妻:武田千絵(40歳)→専業主婦。今回の相談者。武田夫婦は結婚10年目で横浜市在住、住居は月7万円の賃貸在住
長女:武田優奈(9歳)→武田夫婦の娘
愛人:松田奈々(24歳)→派遣社員
愛人の実子:松田玲央(5歳)→松田奈々と元夫との息子
愛人の実子:松田奈緒(4歳)→松田奈々と元夫との娘
妻の父:早田昭三(66歳)→武田千絵の父親。年金生活者

「娘が3歳の頃、小児科の先生の勧めで専門機関へ行ったところ、知能に遅れと自閉の傾向があり、軽度の発達障害ではないかと疑われ、なるべく早くリハビリ訓練を始めた方がいいと言われました。昼は養育、訓練、病院へと休みなく奔走し、夜は娘が泣くたびにあやして……あの頃は寝る時間もありませんでした」

 そんなふうに6年前の苦労を語ってくれたのは、武田千絵さん(40歳)。娘さんは当時、言葉の発達の遅れが1年ほどあったのですが、3歳から小学校入学まで週に2回、病院へ通って専門の言語療法士の指導を受けていました。毎日1時間、言語療法士のアドバイスのもと、自宅学習をしてきたおかげで、小学校は普通学級へ入れてもらうことができたそうです。