雇用の目標も曖昧
「NAIRU」を明らかにすべき

 金融政策の基本に関わる雇用状況の分析でも、日銀は、相変わらずきちんとした説明をしていない。

 2016年4月までの「展望レポート」では、「構造失業率」(過剰労働力が解消した状態の失業率)は3%前半としていたが、7月からは、「NAIRU」(インフレを加速しない失業率)ではないという言い訳を加えて、その水準を引き下げている。

 今回の「展望レポート」でも、「失業率は、足もとでは構造失業率をやや下回る2%台半ばとなっている」としていることから、構造失業率を2年間で1%近くも下げていることになる。

 日銀は「構造失業率」が「NAIRU」ではないと言うなら、「NAIRU」はいくらと見積もっているのかを明らかにすべきだろう。さらに、これまでの構造失業率の推計の誤りを認めたほうがいい。

 ちなみに、筆者は、本コラムで「NAIRU」を2%台半ばと推計している(2018.3.8「失業率2.4%でも、金融緩和の「出口」論が時期尚早な理由」)。

◆図表2:マクロ政策・フィリップス曲線