大川 正直に申し上げて、経営破綻前までは、そんなに力を入れていなかったと思います。社名がある程度認知されていたから、そういう意味での努力が欠けていました。

 でも、2010年の破綻を通して、社会にきちんと認めていただけるような自分たちの存在意義がなければならないと、本当に遅ればせながら認識したわけです。

 当時の大西(賢)社長が、「過去との決別」という言葉をよく使いましたが、その中で「どうすればJALが再び存在していてほしいと社会から思っていただけるのか」を一から考えました。そこで初めて、2014年にコーポレートブランド推進部という部署ができたのです。

小室 それぞれの職場で、皆さんが勉強会をしていましたよね。自分たちのフィロソフィとブランドについて熱心に話し合って、各自のアクションに落とし込むところまで考えていたのが印象的でした。

ブランドは周りの人が決めるもの
稲盛流「意識改革」は実践すること

大川 稲盛会長(当時、現名誉顧問)がいらしたときに「JALフィロソフィ」を制定しましたが、それは精神、心持ちです。よく稲盛会長に言われたのは、「フィロソフィを学問にしちゃいかん、実践してなんぼや」と。確かにその通りです。

 3万3000人いる社員の1人1人がフィロソフィを実践することによって、全体のムードができますよね。そういう空気感が、ひょっとしたらJALブランドなのかなという感じがしています。

 ある人から、「自分たちがこうやっています」では全然ブランドではないと教えていただきました。周りの方が見て「JALさんって、こうだね」と思ってくださることがブランドであるということです。

小室 働き方改革やダイバーシティと業績が結び付くということについて、大川さんご自身はどうお考えですか?