カーナビ・ETC普及期から新時代へ
日本のお家芸「ITS」の主役が変わる?

22年ぶりに日本で開催されたITSの国際カンファレンスの会場となった福岡国際会議場22年ぶりに日本で開催されたITSの国際カンファレンス。今回の会場は福岡国際会議場 Photo by Kenji Momota

 ITSとは、インテリジェント・トランスポート・システム(高度交通システム)の略称で、自動車を主体とした道路交通での次世代技術を示す。学術的な観点からは、オイルショック以降の70年代に欧州や日本で議論が始まり、その後はカーナビゲーションの普及が進み始めた90年半ば以降に産学官連携による協議が活発化した。

 そうした中、日本はカーナビの新車標準装備やアフターマーケットでの量産化が世界市場の中で最も早いペースで普及。さらに、高速道路の交通状況をより早く知らせるVICSの実用化や、ETC(電子料金徴収システム)の整備を一気に進めるなど、ITS先進国として世界から認識されるようになった。

 また、近年のITSとしては、道路インフラと自動車をつなぐ路車間通信(V2I)、走行中の自動車同士をつなぐ車車間通信(V2V)、そして歩行者と自動車をつなぐ(P2V)といった、コネクテッドカー分野での量産化が進んでいる。

 こうした技術領域では、国や地域で使用する電波の周波数帯域に違いがある。発信と受信の位置が100メートル前後といった近い距離では、狭域通信(DSRC)と呼ばれる方式が一般的だが、その周波数帯域は欧米と中国が5.9GHzなのに対して、日本や東南アジアの一部で5.8GHzを使う。日本は2000年代にDSRCでの5.8GHzを事実上の世界標準化とするための各国への働きかけを強化したが、その想いは実らなかった。

 また、交差点付近などの通信環境を重視する、700MHzについてトヨタを中心とした普及活動があるが、日本国内メーカーの間でも未だに足並みが揃っていないのが実情だ。

 その他、最近では日本国内向けの歩車間通信で海外通信関連事業者を巻き込んで、新しい周波数帯域の獲得に乗り出す動きもあるなど、コネクテッドカー関連で日本企業の今後の対応が問われている。