苦し紛れの言い訳では
世間は納得してくれない

2.「内部の論理」を「外の世界」へ押し付ける

 当初、ボコボコに叩かれても、じっと我慢して嵐が通過するのを待つというスタイルの日大だったが、学生の謝罪会見によって、広報部がアナウンスを出さねばならない事態となった。だが、その中身を見ると、残念ながら「危機に弱い組織」の特徴がモロに出てしまっている。

 それは、「内部の論理」を「外の世界」へ押し付けて、どうにか収束を図ろうという傲慢さだ。それが最も出ているのは以下だ。

《コーチから「1プレー目で(相手の)QBをつぶせ」という言葉があったということは事実です。ただ、これは本学フットボール部においてゲーム前によく使う言葉で、「最初のプレーから思い切って当たれ」という意味です。誤解を招いたとすれば、言葉足らずであったと心苦しく思います。》

「日大フェニックス内の話法では、そんな騒ぐような話じゃないんです、受け取った側が勘違いしちゃったんスね」、というわけである。

 ただ、このロジックで推し進めたいのなら、「相手のQBがけがをして秋の試合に出られなかったらこっちの得だろう」「これは本当にやらなくてはいけないぞ」というのは、フェニックス内ではどういう「隠語」なのかもすべて明らかにしなくてはいけない。

 それをしないで、「“つぶせ”は思いっきり当たれという意味」という説明だけですべてチャラにしようというのは、あまりにもご都合主義というか、世の中をバカにしている印象を与えてしまう。

 東日本大震災の直後、放射性物質の影響を「人体にはただちに影響はありません」のワンフレーズで乗り切ろうとした旧民主党政権や、「(食品)偽装ではなく誤表示」という業界ロジックで火消しを図った阪神阪急ホテルズの社長がその後どうなったかを思い出していただければ、これがあまりクレバーな危機対応ではないことが分かるだろう。