部下に気を遣い疲れてしまう管理職

5~6月は、「五月病」になってしまった部下が退職したり、休職したりしないようにするために気を遣い、疲れてしまう管理職が増えます。最悪の場合、管理職本人が休職してしまうような事態に発展するケースも。そうならないために、本質的なマネジメントをもう一度考えてみてください。「管理職養成講座」10回目では、部下の退職を恐れるがあまり、頑張って仕事をしすぎてしまった課長の事例で考えてみましょう。(MICA COCORO代表 産業カウンセラー 宮本実果)

部下との会話がきっかけで
体調を崩してしまった課長

 国内メーカーに勤めるTさん(43歳・男性)は、若くして課長に抜てきされた優秀な開発事業部の社員です。Tさんの日課は、体調管理のためのトレーニングで、風邪ひとつひかず、日々、真面目に仕事に取り組んでいます。

 部下は、正社員の男性3人と、非正規を含めた女性4人です。しかし、ここ数日、Tさんは体調がすぐれない気がしてなりません。思い当たることは、部下と会話を交わした日からだった気がしています。どんな会話だったのでしょうか。