ここ数年、大手国内企業でも、中途採用者がチームメンバーにいることは当たり前で、部署によっては外部のコンサルタントチームがいることまであります。このように人材が多様化した職場では、個人の価値観による考え方のギャップが生じ、さまざまなトラブルが発生します。そこで「管理職養成講座」の5回目は、大手企業の課長の事例から、コミュニケーションのポイントをどこに置けば、多様化するチームを牽引できるのかを考えていくことにします。(MICA COCORO代表 産業カウンセラー 宮本実果)
中途採用の優秀な社員が
ストレス抱え感情的に相談
大手メーカー勤務のKさん(45歳)は、ITの専門的な技術と知識が必要とされる部署の課長です。他部署とは違い、チームの8割以上が、中途採用者と外部のコンサルタントで構成されています。Kさんは、社内でも評判な「誰からも好かれている人」で、他部署の人からも相談されることが多く、ユーモアあふれる会話で周囲を盛り上げるタイプの管理職でした。
Kさんが現在の部署の課長に着任してから2年目のある日、とても優秀な部下Aさん(27歳男性)が、中途採用で入社しました。
それから半年が過ぎようとした頃、Aさんから相談したいことがあると言われて話を聞くことになりました。