「人づくり革命」で唯一とも言うべき目につく点は、政策資源の投入である。それは、少なくとも産業界ではさんざんに行われてきたことだ。だが、それがどれほど「人づくり」に役立ったといえるのか疑問だ。金さえかければ人をつくれるというわけではなく、「つくり方」が間違っていると言わざるを得ない。

 日本企業の労働生産性は、2016年現在、OECD加盟国35ヵ国中の20位。この地位は、今までの「人づくり」投資のむなしさを示している。

 一方、「生産性革命」でも目につくのが設備投資と人材投資、それに加えて研究開発投資だが、これまた金の投入のみに終わっている。

 こうした発想では、「働き方改革」にはなりえない。

 では、どうすべきなのか。われわれ「組革研」での取り組みを通して考察してみたい。

「働き方改革」の根幹は
「リーダー改革」にあり

 もしも企業内の人々の「仕事力」(労働生産性を向上させる力)が、金を使わずして、数ヵ月とか1年という短期間に「1.5倍、2倍、3倍」と急上昇したら、その人自身、あなた方の会社、そしてこの国はどんな姿になるだろうか。

 といっても、そのようなことを知らない人にかかったら、「テレビCMではあるまいし、絵空事を言うな」と笑い話にされてしまうのが落ちであろう。

 しかし例えば、「組革研」体験を導入した三井E&Sマシナリー(旧三井造船)大分工場では、短期間で労働生産性が2.5倍向上したといった実績を上げている。同じく大企業でのこのような類例は、いくつもある。いずれもが、びた一文の投資なくしてだ(その例の数々は近著『脱「三逆リーダー」』に詳しい)。