メンテナンス(1)再投資

インデックス投信の利回りは、株式や債券そのものの値上がり益(キャピタルゲイン)はもちろん、株式であれば配当金、債券であれば利息などから構成されています。

私たちは長期投資による資産形成を目指しているわけですから、投信が稼いだ利回りはそのまま再投資するのがベストです。この利益をいちいち受け取っていては、資産形成エンジンの中核を成す複利パワーがいつまで経っても発揮されないからです。

分配金は、もらって喜んでいてはいけません。インデックス投信ではあまりないと思いますが、「特別分配金」という名前で、投資元本から分配金を払う投資信託もあります。これは言ってみれば、せっかく長期投資に回した資産を勝手に切り崩して「返してくれている」のと同じ。大きな迷惑です。

というわけで、分配金にはNOと言うのが原則。

目論見書で「分配金はいっさい出しません」と断言している商品はさすがに見たことがありませんが、「複利効果による信託財産の成長を優先するため、分配を極力抑制します」というような書き方をしているものはあります。

あとは、毎年の分配金履歴でゼロが続いていれば、「複利パワー」を重視する商品だと理解できます。たとえ分配金を出す投信でも、「受取型」と「再投資型」を選択できるはずですので、後者を選びましょう。

メンテナンス(2)リバランス

実際に運用をはじめれば、株式インデックス投信や債券インデックス投信ごとに、成績は異なってきます。

そのため、それぞれが稼いだ利回りの再投資を繰り返していると、時間の経過とともに、当初組んだアセット・アロケーションからバランスが崩れてきます。株式60%:債券40%でポートフォリオを組んでいたのに、株式の成績のほうがよかったため、株式65%:債券35%になってしまったりとか、先進国の経済が落ち込んだせいでエマージング国のウエイトが高まってしまったりといった具合です。