リクルート、角川書店、ジュピターテレコムを経て見えた、経営論

朝倉:福田さんは、リクルート、角川書店、ジュピターテレコムと、異なる3つの会社に携わってこられました。そのなかでお感じになった、共通する部分や、個社で異なる部分というのは、どのあたりだったのでしょうか?

福田:経営という視点で、何を見て、何をするべきか、といった要所は、どの企業も大きく変わらないと思います。財務、組織、人事、営業……いくつか見るべきポイントがあると思うんです。より細かい点で言えば、「儲け」の構造やコスト構造はどうなってるのか、顧客基盤はどうなってるのか、などという視点はどこでも必要だと思います。特に重要なのは経営管理という視点では経理、財務等のコーポレート組織でしょうね。

朝倉:そうした勘所をつかめれば、経営者として異なる会社を経営することはできるということですね。

福田:そう思います。しかし、事業運営等のオペレーションは業態やビジネスモデルによってかなり異なるので、ある程度慣れないと掴めない部分があります。僕は経営者として主に、経営管理を担うのか、オペレーションを担うのかという点で、役割が大きく違うと思っています。

朝倉:確かに、多くの人が「課長、部長、本部長と出世して、次は取締役だ」とキャリアを単線的に考えていますが、経営とオペレーションとでは、やってることは随分と違いますよね。

福田:たとえば組織人事というのは経営上の重要なポイントですが、営業一筋で上がってきて初めて経営に携わると、この分野に戸惑う人も多いと思います。なぜなら、オペレーションをやっている間は、なかなかコーポレートの役割は見えていないし、ボードメンバーになって急に何をどう担えばいいはわからないですよね。経営とオペレーションの2つはまったく違うところが多く、またキャリアも違うので、良し悪しではなく、どちらもやれる人は多くないと思います。
僕は、リクルートで10年間役員として事業運営等のオペレーションを中心に担ってきましたが、一方で、経理や財務の担当役員も兼任してきたので、経営管理という違った経営領域も経験することができました。なので、幸運にも、経営管理で大事なこととオペレーションで大事なことの両方を見ることができて、その後にすごく役立ちました。
最近は、いろんな企業の社外役員をやったり、スタートアップに関わったりしていますが、その中でも、経営の視点と、オペレーションの視点の両方で話をするよう心がけています。

朝倉:なるほど。オペレーションと経営の両面をご覧になり、複数の会社で役員をなさった後に、そういった結論に至ったということは、非常に参考になります。今日はどうもありがとうございました。

*本記事は、株式公開後も精力的に発展を目指す“ポストIPO・スタートアップ”を応援するシニフィアンのオウンドメディア「Signifiant Style」で2018年2月4日に掲載された内容です。