高身長の男性はがんに注意
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 国立がん研究センターなどが実施しているJPHC研究は、生活習慣とがんや脳・心血管疾患との関係を調べている。

 そのJPHC研究から、「日本の成人男女は、身長が高いと脳卒中で死亡するリスクが低く、逆にがんで死亡するリスクが高い」という結果が示された。

 調査対象は、1990年と93年に同研究に登録した40~69歳の成人男女、10万7794人(男性5万0755人、女性5万7039人)。平均19年間にわたる追跡期間中に、男性1万2320人、女性7030人が死亡している。

 今回は、登録時の申告に基づき、男性は身長(1)160cm未満、(2)160~163cm、(3)164~167cm、(4)168cm以上に分類。女性は(1)149cm未満、(2)149~151cm、(3)152~155cm、(4)156cm以上に分類して、死因との関係を検討した。

 その結果、男性の場合、身長が160cm未満の群より、160cm以上の群は脳卒中での死亡リスクが17%低下。身長が5cm高くなるごとに、死亡リスクが5%減ることが分かった。

 また、慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患で死亡するリスクは、身長が5cm高くなるごとに8%低下。160cm以上の男性群は、160cm未満の男性群よりも死亡リスクが24~29%低かった。

 一方、がんについては高身長群の方が死亡リスクは高い。168cm以上の群は160cm未満の群より全がん死リスクが17%高く、身長が5cm高くなるごとに4%リスクが増加していた。

 女性は身長と死亡原因に明確な関係を認めなかったが、卵巣がんに限ると、身長156cm以上の群は149cm未満の群に比べて死亡リスクが2.2倍にもなった。

 研究者は「高身長の人は、細胞分裂を促進するIGF-1(インスリン様成長因子)値が高く、それががん化リスクにつながる」と推測している。

 厚生労働省の国民健康・栄養調査(2016年)によると、現40代男性の平均身長は171.4cm、50代は169.8cmだ。十分、高身長群に入る。がん化リスクを助長する生活習慣は改善しよう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)