仮想通貨の基盤技術として登場したブロックチェーン。この技術はこの先、グーテンベルク以降最大のディスラプション(破壊)となるかもしれない。その巨大なインパクトは、インターネットがもたらしたもの以上だ。中央集権型から分散型の経済圏へと移行すれば、すべての主権は個人にもたらされ、仲介業者は不要となるだろう。これは大きなチャンスであり、危機でもある。グーグル、ソフトバンク、ツイッター、LINEで「日本侵略」を担ってきた戦略統括者・葉村真樹氏の新刊『破壊――新旧激突時代を生き抜く生存戦略』から、内容の一部を特別公開する。落合陽一氏推薦!

グーテンベルク以降最大のディスラプション

 最近、仮想通貨やビットコイン、またブロックチェーンという言葉を目にしない日はない。

 ブロックチェーンは、2008年に仮想通貨ビットコインの基盤技術として登場した。従来の帳簿管理を特定の主体に委ねる「中央集権型」の仕組みに代わり、各参加者がインターネット上などで基本的に同じ帳簿を共有する「分散型」の仕組みによって、各種の資産・権利の所在や移転の記録を可能とする技術である。

 ブロックチェーンについて触れるのは、この「分散型」の仕組みが個人と個人がつながるネットワークの形態を取っているという点で、個人の評価に基づく経済圏のさらなる発展と、インターネット時代の「先」のディスラプションを考える上で重要と考えるからである。

 ブロックチェーンは、いわゆるPeer-to-Peer(P2P)型のネットワークや暗号技術などの複数の技術の組み合わせから成り立っており、その説明だけでも1冊の本が書けるくらいだが、技術的な説明については世に数多ある他の書籍に譲る。

「中央集権型」と「分散型」
出典:「ブロックチェーン・分散型台帳技術の法と経済」柳川範之、山岡浩巳、日本銀行ワーキングペーパー、2017年3月を参考に著者作成

 本書で強調しておきたいのは、これまで「国」や「権威」といったものが、中央集権的に「信用」を担保していたのに対して、その「信用」を分散化した個々のネットワークで担保するようになる、ということだ。