皆に追いつくには
正しい努力をするしかない

どうせ行くならサッカー王国といわれる強豪国がいいと、
大学に籍を置きながら単身アルゼンチンに渡ることにした。
アルゼンチンでは、ひたすらクラブを回って「選手はいりませんか」と訪ねる日々。
そうこうしているうちに、ヒムナシア(ヒムナシア・ラ・プラタ)という
チームに練習生として入ることになった。

世の中の“常識”に照らし合わせれば、スタートが遅いことは自分でもわかっていた。
だからこそ、追いつくには、正しい努力をするしかない。

正しい努力とは、効率と効果、さらにはチャンスを最大化するような努力のことだ。
そのためには世界で一流というレベルに身を置いて、そこで揉まれて、人の何倍も努力するしかない。

何という向こう見ずなことを―僕の挑戦を知る人はそう言った。
だが僕には、根拠のない自信があった。
「世界一の国で必死に努力すれば、オレのサッカーだって絶対にモノになる」と。

僕のサッカー人生はこんな「暴挙」で始まった。
それ以降の苦労や挫折や理不尽は尽きなかったが、技術もない、言葉も文化もわからないなか、アルゼンチンで練習生としてみっちりとサッカーを学び、シーズンオフに帰国する生活が続いた。

シーズンオフは、日本でアルバイトをして旅費を貯めて、
大学の試験を受けて、またアルゼンチンに渡る―それを4年間続け、大学も無事卒業した。

大学卒業後、今度はフランスに渡る。
ここまでくると、親も反対を通り越してあきれていたけれど。
フランスのクラブで入団テストを受け、そこでセミプロではあるが、
念願のプロサッカー選手としてデビューすることになった。
そして、27歳までサッカー選手としてプレーすることになる。