「あなたの背中にはカビがいます」。そう言われたら驚く人が多いだろう。しかし、実は私たちの皮膚には常在菌と呼ばれるさまざまな細菌やカビが住んでいるのが当たり前。ただし、皮膚に住む常在菌との付き合い方を一歩間違えると、加齢臭をはじめ、さまざまな肌トラブルの原因になるという。(清談社 真島加代)

加齢臭の原因のひとつは
背中に住む菌だった!

加齢臭の原因のひとつは、背中に住む菌です
誰の皮膚にも存在しているカビ「マラセチア菌」が皮脂を分解する際に発生するのが加齢臭。脂肪分の多い食事や、シャワーのみの入浴をしている男性は要注意である Photo:PIXTA

 中高年の悩みのタネとなっている加齢臭。自分ではなかなか気が付きにくいため、放置されているケースも多い。その原因のひとつといわれているのが、皮膚に住むカビの一種「マラセチア菌」の増殖にあるという。

「人間の皮膚には、細菌やカビの仲間である真菌が住んでいます。加齢臭の原因となるマラセチア菌も常在菌の一種です」

 こう話すのは、男性専門の総合美容クリニック「ゴリラクリニック」総院長・稲見文彦医師。“肌にカビがいる”と聞くと衝撃を受けてしまうが、もともとは誰の皮膚にも存在しているものなのだとか。

「加齢臭の正体は『2-ノネナール』という物質です。マラセチア菌をはじめとする常在菌が、リパーゼという酵素を産生して脂肪酸を分解する際に、この2-ノネナールが発生すると考えられています。常在菌が皮膚表面にある不飽和脂肪酸を分解することで、中高年特有の『脂臭い』『青臭い』『枯れ草のような臭い』とされる、加齢臭特有のニオイが発生するのです」

 マラセチア菌は、背中や胸など、汗をかきやすく皮脂が多い場所を好み、汗や皮脂をそのまま放置していると増殖。最終的にキツい加齢臭が漂うようになってしまうのだ。女性に比べて皮脂が多い男性は、特に注意が必要だという。

 また、マラセチア菌の増殖がもたらすのは加齢臭だけではない、と稲見氏。

「背中は皮脂腺が多く、ニキビができやすい場所でもあります。そのため、背中にニキビに似たピンク色や白色の斑点ができることも少なくありません。しかし、こうした斑点に通常のニキビ治療を施してもなかなか治らない場合は『マラセチア毛包炎』を発症している可能性があります」