上手く仕上げるには臨機応変さが必要
アタマをダジャレ公式、見立て公式に

 インプットしておいた長渕さんはここぞという場面で登場して頂きます。もちろんTPPについての話題なら簡単。会議中とかではナンですから、昼飯や酒飲みの場、雑談中などでTPPの話題が出たらGO。しかし、ここでただ歌い始めてはいまひとつセンスを感じない。前振りがあると効いてくる。このあたりもがっつり解説しますが、実例ではたとえばこんな感じ。

(TPPの話題になる)「まったくなあ。アメリカのいいなりになってどうすんだって! 毅然とした態度でつっぱねてほしいよなあ」

「ほんとだよな。長渕剛もかなり怒ってるらしいじゃん」

「へえ、そうなの?」「♪ティ~ピ~ピ~ ティ~ピ~ピ~…ろくなもんじゃねえ!」(どっかんどっかんorトホホな空気)。

 このように流れに乗ってオチ的なアウトプットに仕上げられれば理想的ではあります。しかし自分がいくら前もって考えていても実際はこんなにうまくハマることはない。結局は臨機応変さが重要になってくる。そのためにも、具体例を覚えるのではなく、ダジャレ公式、見立て公式のアタマにしていけばいいのです。

 めまぐるしく移り変わっていく会話の中で、流れていく先のポイントをさっと見極め、ほんの少し先回りしてそこに誘導して、当てる。イチローなど外野手が、打球そのものの軌道だけにとどまらず、打者のスイングや打球音を元に、ある地点までボールを見ないで背走するように。

 落下地点を予想し回り込むためには、スピードが必須。さらに膨大な経験則も必要。野球における練習や試合は、ダジャレ=見立てで言えば、なんでもないときに、言葉を分解してたしかめておく行為と、会話で心地よくさせようとするセンスを磨くことです。メールなど文字コミュニケーションではなく、対人コミュニケーションという公式戦で力をつけていくのが上達への速水もこみちです…いや、早道です。

たとえ話を駆使して会話ができれば
わかりやすく面白く話せるようになる

 ここで注意点がひとつ。イメージした展開で自分なりにうまくダジャレがハマッたとする。しかしあら? 笑わない? となっても気にしないこと。ウケようがウケまいが知ったこっちゃないのは連載第1回に書きましたが、自分を向上させるためだからどうでもいいんです。打席に入ったら合わせにいくバッティングはせず力感有るスイングを極めることに向かえばいい。