猛暑というと思い出されるのは、2013年。この年も猛暑日が続き、消費にはさまざまな異変が起きた。2013年の夏は何が売れて、何の値段が上がったのか、振り返ってみよう。(日本総合研究所調査部主任研究員 小方尚子)

今年も2013年並みに
9月まで暑い日々が続きそう

異常な暑さが続いています今年も2013年同様、秋まで暑さが続く「残暑型」を覚悟しておいた方がよさそう。では前回の2013年は一体、どんなものが売れたのだろう?  Photo:PIXTA

 日本各地で史上最高気温を記録するなど、暑い日が続いている。こうした猛暑で想起されるのは、2013年のケース。2015年も8月中旬までは猛烈な暑さが続いたが、8月25日以降、東京の最高気温が一気に21度前後にまで下がるなど、終盤では冷夏となった。

 一方、2013年は、10月に入っても東北を含む各地で最高気温が30度以上の真夏日を記録するなど、季節外れの暑さが続いた。

 今年はどうなるのだろうか?7月までの東京の真夏日の日数でみると、2013年を上回る勢いとなっている(下図参照)。このため、既に暑さにはうんざり、といったところだ。しかも、気象庁が7月25日に公表した3ヵ月予報によると、少なくとも9月までは「気温は平年並みか(平年よりも)高い」と見込まれている地域が多くなっている。つまり、2015年のような「短期決戦型」ではなく、2013年のような「残暑」を覚悟しておいた方がよさそうだ。

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 もっとも、夏が暑いと、経済面ではプラス効果も大きい。個人消費が押し上げられるからだ。今年の猛暑効果がどのようなものになるかは、過去の猛暑を振り返ると、ある程度、見えてくる。

 そこで2013年の夏の消費を振り返ってみると、金額的に大きく伸びたのはエアコンだった。例年は7月によく売れるが、2013年には8月にも売り上げが伸びた。古いエアコンが酷使に耐えかねて壊れ、買い替えが相次いだためだ。冷蔵庫も、同様に販売が伸びた。エアコンの使用が増え、冷蔵庫への負荷も高まったので、電気代もかさんだ。さらに、夏物衣料、日傘、サングラスなどの身の回り品、制汗剤、日焼け止めなどの売り上げも伸びた。また、男性用の日傘が売り上げを伸ばして話題となったのも、この年だ。