心理的安全性のある
職場をデザインする

 心理的安全性とは、米グーグルの研究発表によって注目を集めた、チームの生産性を高める考え方です。アイデアを出したり、ミスを認めたりしても、チーム内で恥をかいたり罰せられたりしない。安心して自分の内面を出せる環境を用意することがチームの力を発揮するのに大事だというものです。

 リスクを冒したのに「やっぱり痛い目に遭った」と思うなら誰もチャレンジしません。「どんどんやっていいのだ」と思えるような安心感が職場にあるからこそ、皆、好んで新しいことに挑戦していくのだと実感しています。

 それでは、ほとんどの従業員が業務委託契約となるなら、会社とは一体、何なのか。そうお感じになるのではないでしょうか。

 会社というのは、歴史的に見てもさまざまなタイプがありますが、僕が考える会社とは、皆が何かコラボレーションするための「場」にすぎません。経営側だからといって何かを強制することは、あってはならないと考えています。

 人と人とでしか結べないのが契約の基本です。物とは契約ができません。協業する上で契約をできる主体が必要だから、法人格という概念があるのです。コラボレーションする集団のためにあるのが法人格であり、それ以上でもそれ以下でもないのです。

 そこで、ミスルトウもよりピュアな意味での会社の形に戻したいと思いました。これにより、スタッフと会社との関係が変わります。

 出張申請一つを例に取っても、出張は会社に申請をして上司の許可を得て、会社に領収書を提出することになります。それが業務委託だと、基本的に会社に請求すればよく、領収書も税金の申告の際に利用するものになるのです。

 ラーニングエニウェアを業務委託化の前に行ったのも、こういった関係に慣れてもらいたいという意図があったのです。

 もちろん、完全に対等な関係とはいえないかもしれませんが、心理的安全性を確保した上で、できるだけ対等であろうと進めています。ではなぜいま、このような組織形態が必要なのでしょうか(次回に続く)

構成/小島健志

*「孫家の教え」は隔週連載です