東京ドーム30個分の敷地に125の建物が並ぶアメリカ本社

 世界に12万人の従業員を擁するマイクロソフトだが、そのうち約4万5000人が働くのがアメリカ、ワシントン州のシアトル郊外にある本社だ。ここを訪れる機会を得た。

 シアトル・タコマ国際空港から高速道路を使って約40分。マイクロソフト社内で「キャンパス」と呼ばれている本社は、レドモンドという都市にある。

 マイクロソフトは1975年に創立されたときは、ニューメキシコ州のアルバカーキに本社があった。その後、79年にベルビューに移転。

 案内してくれた、アメリカ本社のシニアコミュニケーションマネージャー、キャサリン・メルジャック氏が語る。

「今のレドモンドキャンパスに移転したのは、86年です。そのときには4つの建物しかありませんでしたが、その後ずっと拡大し続けてきました。ここは社員の間で“キャンパス”と呼ばれています。ビル・ゲイツはここに移ってきたとき、大学の構内(キャンパス)のようにすぐに集まれるところで仕事をしようと考えたんです」

 これが、キャンパスという名の由来である。それにしても、そのスケールは圧巻だ。今や約1500万平方フィート(東京ドーム30個分!)の敷地に、なんと125もの建物が造られている。建物の間には道路が縦横無尽に走っており、まるでひとつの都市のようだ。バスケットボールのコートやサッカーのフィールドもある。

米マイクロソフト本社で、<br />「効率的な働き方」を取材してきたマイクロソフトの本社「キャンパス」

 建物の間を移動する際には、シャトルと呼ばれる自動車が利用される。大型バンのほか、プリウスやリーフのようなエコカーもある。150台以上のシャトルがキャンパス内を走っており、各建物の乗り場の前から乗り込むほか、社員はスマートフォンのアプリを使って呼び出すこともできる。

 125の建物はそれぞれがナンバリングされており、40番台までの建物による「イーストキャンパス」、アルファベットで示される建物が並ぶ「レッドウエスト」、80番台の建物で構成される「ノースキャンパス」、90番台や120番台のほか、「The Commons」「Studio」などが含まれる「ウエストキャンパス」に分かれている。