「これからの日本にとって重要なテーマだ!」「長期的に成長が期待できる分野だ!」といったセールストークは確かにその通りだろう。だが、株式市場というものは、当面利益が上がっていなくても、短期的には実態をかなり先取りして動く場合が多い。いわば、関連するテーマの銘柄は、玉石混交の状態で株価がどれも上昇するということがしばしば起きる。

 したがって、テーマ型ファンドが設定されたときには、往々にして投資対象の銘柄が既に高値圏になっているという可能性が高い。証券会社での40年近い筆者の経験を振り返ってみても、テーマがもてはやされたときに設定されたテーマ型ファンドの多くは、その後悲惨な結末を迎えている。

長期投資家には
向いていない理由

 ただし、こうしたテーマ型ファンドは、短期的には儲かる可能性もある。高値圏にいるということはそれだけ株価の動きも大きくなっているため、設定してごくわずかの間に急騰することもあり得るからだ。そうなると一気に人気が高まり、さらに売れるということが起きるのだ。

 当然、販売するほうも非常に強気で勧めてくる。ところが、そこで買うのは非常に危険だと考えるべきだろう。もし、テーマ型ファンドを既に購入してしまったのであれば、こうした急騰局面では売却しておいたほうが無難だと思う。先ほども述べたように、筆者の経験から言って、長期的に成長が続いて大きくなったテーマ型ファンドはほとんどないからだ。

 株式というものは、その会社が非常に優れたビジネスモデルを持っていたり、まだ開発の段階ながら画期的な新商品や新薬の開発が見込めたりする場合、現実の業績が伴っていなくても先行きを見越して上がることが多い。いわゆる「理想買い」といわれるものだ。