変更のポイントは、支払った日から1年以内の家賃の前払いでなければいけないということです。

 例えば3月決算の会社で、3月末に4月から翌年3月の家賃を前払いするのはOKです。しかし、4月から翌年3月の家賃を2月に前払いした場合は、経費として認められません。

 契約期間、年払いの時期には注意が必要です。

グループ会社なら
契約を変更しやすい

 契約書を変更するとなると、面倒に感じるかもしれません。相手がYESといってくれないことには、前に進むことはできないからです。

 確かに、第三者との賃貸借契約の場合、契約変更のハードルはやや高めになります。

 また、家賃の引き下げ交渉をしているような場合には、注意する必要があります。「1年分前払いできるなら、家賃を下げる必要はない」と思われる可能性もあるからです。

 この点、中小企業では、会社の敷地が経営者の自宅の隣にあるということが少なくありません。土地や建物を経営者から借りて、会社が経営者に家賃を払っているのです。

 貸主が経営者あるいはグループ会社であれば、契約変更のハードルはありませんね。

 ただし、身内同士の契約変更だとしても、契約書は確実に変更してください。中小企業が税務調査で否認される原因の9割は、エビデンス(証拠書類)不足にあるからです。

 面倒くさくても、のちのちの税務調査のことを念頭に置いて、必ず契約書を変更しましょう。